今月の主な税務・最新情報

令和8(2026)年11月

〈11月の主な税務〉

  • 11/10(火) 10月分の源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付
  • 11/30(月) 9月決算法人の法人税等・消費税確定申告
  • 11/30(月) 3月決算法人の法人税等中間申告
  • 11/30(月) 〈前年度の確定消費税額が年間48万円超400万円以下の場合〉
          3月決算法人の消費税中間申告
  • 11/30(月) 〈前年度の確定消費税額が年間400万円超4,800万円以下の場合〉
                  6月・3月・12月決算法人の消費税中間申告
  • 11/30(月) 〈前年度の確定消費税額が年間4,800万円超の場合〉
          年11回(毎月)の消費税中間申告

今月の主な最新情報

■令和8年分 年末調整のポイント

 令和8年度税制改正で、特に合計所得金額489万円以下(給与収入665万円相当以下)の人の基礎控除額が大幅に見直されたことから、令和8年分の年末調整では多くの人が還付対象となる見込みです。その確認作業は煩雑なると予想されるため、改正内容等早めに確認するようにしましょう。

  1. 会社員でも確定申告が必要になるケース
     多くの会社員(給与収入のみの給与所得者)は、年末調整によって所得税の税額が確定し、納税が完了しますが、以下のいずれかに当てはまる人(確定申告をすれば税金が還付される人を除く)は、会社員であっても確定申告を行う必要があります。
    ①給与の年間収入金額が2,000万円を超える人
    ②給与を1か所から受けていて、かつ、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く)の合計額が20万円を超える人
    ③給与を2か所以上から受けていて、かつ、給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において年末調整されなかった給与の収入金額と、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く)との合計額が20万円を超える人※
    ※給与の収入金額の合計額から、所得控除の合計額(雑損控除、医療費控除、寄附金控除、基礎控除を除く)を差し引いた金額が150万円以下で、さらに各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く)の合計額が20万円以下の人は、申告は不要。
    ④同族会社の役員などで、その同族会社から貸付金の利子や資産の賃貸料などを受け取っている人
    ⑤災害減免法により源泉徴収の猶予などを受けている人
    ⑥源泉徴収義務のない者から給与等の支払を受けている人
    ⑦退職所得について正規の方法で税額を計算した場合に、その税額が源泉徴収された金額よりも多くなる人

  2. 確定申告の必要がない会社員でも、次のような場合は確定申告をすると還付されることがあるケース
    ①災害や盗難、横領により住宅や家財などの資産に受けた損害などについて雑損控除を受ける場合
    ②病気やけがなどで支払った一定の医療費について医療費控除を受ける場合
    ③ふるさと納税などの寄附を行い、寄附金控除を受ける場合
    ④家屋を住宅借入金等で新築や購入、増改築等をして、住宅借入金等特別控除を初めて受ける場合

■役員退職金の準備はできていますか?―計画的な資金確保がポイント

 役員退職金は、支給額や損金算入時期、資金準備の方法によって会社への影響が大きく異なります。退任直前ではなく、在任中から計画的に準備しておきましょう。

  1. 役員退職金の適正額の検討
     役員退職金の支給額は、勤続年数や会社への貢献度などを踏まえて決定します。一般的には退職時報酬月額、勤続年数および功績倍率を基に算定する「功績倍率法」(注)が広く用いられています。

     役員退職金=退職時報酬月額×勤続年数×功績倍率

     (注)「功績倍率法」とは、役員の退職の直前に支給した給与の額を基礎として、役員の法人の業務に従事した期間および役員の職責に応じた倍率を乗ずる方法により支給する金額が算定される方法をいう。

  2. 退職手当等が「特定役員退職手当等」に該当する場合の退職所得の計算
     役員等勤続年数が5年以下である人が、その役員勤続年数に対応して受け取る退職手当等は「特定役員退職手当等」に該当します。その場合、以下の計算式のとおり退職金の額から退職所得控除額を差し引いた額が退職所得の金額となります。

     退職所得=源泉徴収前の収入金額-退職所得控除額 ※「×1/2」の適用はなし

     なお、「役員等勤続年数」とは、役員等に支払われる退職手当等の勤続期間のうち、役員等として勤務した期間の年数をいい、1年未満の端数がある場合はその端数を1年に切り上げます。

  3. 役員退職金の損金算入時期
     法人が役員に支給する退職金で適正な額のものは、損金の額に算入されます。その退職金の損金算入時期は、原則として、株主総会の決議等によって退職金の額が具体的に確定した日の属する事業年度となります。ただし、法人が退職金を実際に支払った事業年度において、損金経理をした場合は、その支払った事業年度の損金の額に算入することも認められます

    (注1)
    退職金の額が具体的に確定する事業年度より前の事業年度において、取締役会で内定した金額を損金経理により未払金に計上した場合であっても、未払金に計上した時点での損金の額に算入することはできません。
    (注2)
    法人が退職年金制度を実施している場合に支給する退職年金は、その年金を支給すべき事業年度が損金算入時期となります。したがって、退職した時に年金の総額を計算して未払金に計上しても損金の額に算入することができません。

令和8(2026)年10月

〈10月の主な税務〉

  • 10/13(火) 9月分の源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付
  • 11/02(月) 8月決算法人の法人税等・消費税確定申告
  • 11/02(月) 2月決算法人の法人税等中間申告
  • 11/02(月) 〈前年度の確定消費税額が年間48万円超400万円以下の場合〉
          2月決算法人の消費税中間申告
  • 11/02(月) 〈前年度の確定消費税額が年間400万円超4,800万円以下の場合〉
          5月・2月・11月決算法人の消費税中間申告
  • 11/02(月) 〈前年度の確定消費税額が年間4,800万円超の場合〉
          年11回(毎月)の消費税中間申告

今月の主な最新情報

■令和8年10月1日からインボイス制度「経過措置」が変わります「またぐ取引」はどうなる?

 令和8年10月1日から、免税事業者等からの課税仕入れに係る仕入税額控除の経過措置の控除可能割合が「80%」から「70%」に引き下げられます。9月から10月にかけて「またぐ取引」において重要なのは「請求日」や「支払日」ではなく、「実際の取引年月日」で判定する点です。経理処理をする際、商品等の引渡日や業務委託が完了した日等の「実際の取引年月日」をしっかり確認するようにしましょう。

  1. 短期前払費用における免税事業者からの仕入れに係る経過措置の適用
     「前払費用」とは、法人が一定の契約に基づき継続的に役務の提供を受けるために支出した費用のうち、その事業年度終了の時においてまだ提供を受けていない役務に対応するものをいいます。前払費用は、原則として、支出した時に資産に計上し、役務の提供を受けた時に損金の額に算入すべきものです。
     これに対して、前払費用のうち、法人がその支払日から1年以内に提供を受ける役務に係るものについて、その支払額に相当する金額を継続してその支払日の属する事業年度の損金の額に算入している場合には、支払時点で、その全額を損金の額に算入することが認められています(所得税についても同様)。これを「短期前払費用の特例」といいます。
     また、法人税や所得税の計算において短期前払費用として処理している場合は、消費税においても、その費用に係る課税仕入れの時期は役務の提供時ではなく支払時となります。
     例えば、3月決算法人が、免税事業者等である取引先との保守契約に基づき、毎年4月にその年1年間分(4月から翌年3月月分)の保守料を支払い、短期前払費用として処理した場合には、令和8年10月以降の期間に対応する部分も含めて、保守料の全額について、仕入税額相当額の80%の経過措置の適用を受けることができます。


  2. インボイス制度のその他の経過措置
    (1)免税事業者等からの課税仕入に係る経過措置による控除が認められない場合(令和8年度税制改正で変更あり)
     免税事業者等からの課税仕入れに係る経過措置の見直しについては、控除可能割合の引き下げとあわせて、1免税事業者等からの仕入れに係る年間適用上限額が「10億円」→「1億円」に引き下げられます、
     具体的には、同一の免税事業者等との課税仕入れの合計額(税込)が、その年または事業年度で1億円(改正前10億円)を超える場合は、超えた部分については適用できません(令和8年10月1日以後に開始する課税期間から適用)
    (2)「2割特例」の見直し(令和8年度税制改正変更あり)
     「2割特例」とは、インボイス制度を機に免税事業者からインボイス発行事業者となった事業者(個人事業者は2年前、法人は原則2事業年度前の課税売上高が1,000万円以下である等)を対象としたもので、令和8年9月30日までの日の属する課税期間について、消費税の納付税額を、売上に係る消費税額の2割とすることができる特例です。
     令和8年度税制改正により、インボイス発行事業者である個人事業者のみを対象に、令和9年分および令和10年分限りの措置として、この割合が「2割」から「3割」へと引き上げられます。現在、「2割特例」を適用している個人事業者については、今回の措置を適用できます。
    (3)少額特例(一定規模以下の事業者に対する事務負担の軽減措置/現行のまま)
     基準期間の課税売上高が1億円以下等の事業者につき、少額(税込1万円未満)の取引をインボイス不要とする措置(少額特例)については、特段の改正が行われていないため、現行のままとなります。
     「少額特例」とは、税込1万円未満の課税仕入れについて、取引先がインボイス発行事業者か免税事業者等かにかかわらず、インボイスの保存がなくとも一定の事項を記載した帳簿の保存のみで仕入税額控除ができる措置です。ただし、この措置は、インボイスの保存を不要とするものであり、インボイス発行事業者の交付義務が免除されているわけではありません。そのため、インボイス発行事業者は、課税事業者からインボイスを求められた場合には交付する必要があります。
     適用対象者は、基準期間における課税売上高が1億円以下、または特定期間における課税売上高が 5,000万円以下の事業者です。特定期間における課税売上高については、納税義務の判定の場合とは異なり、課税売上高に代えて給与支払額の合計額による判定はできません。
     なお、本特例の適用対象期間は、令和5年10月1日から令和11年9月30日までです。

令和8(2026)年9月

〈9月の主な税務〉

  • 9/10(木) 8月分の源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付
  • 9/30(水) 7月決算法人の法人税等・消費税確定申告
  • 9/30(水) 1月決算法人の法人税等中間申告
  • 9/30(水) 〈前年度の確定消費税額が年間48万円超400万円以下の場合〉
         1月決算法人の消費税中間申告
  • 9/30(水) 〈前年度の確定消費税額が年間400万円超4,800万円以下の場合〉
                   4月・1月・10月決算法人の消費税中間申告
  • 9/30(水) 〈前年度の確定消費税額が年間4,800万円超の場合〉
         年11回(毎月)の消費税中間申告

今月の主な最新情報

■令和9年分所得税から「青色申告特別控除」が見直されます

  1. 青色申告特別控除の最大控除額「75万円」の適用を受けるための要件
     令和9年分以後の所得税について適用される、青色申告特別控除の最大控除額「75万円」。
    この適用を受けるためには、「優良な電子帳簿の保存」または「請求書データ等との自動連携(デジタルシームレス保存)」のいずれかの要件を満たした上で、電子申告する必要があります。

        
  2. 電子帳簿保存制度に完全準拠した「FXクラウドシリーズ」
     公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(JIIMA:ジーマ)の認証を受けた会計ソフトは、税制上の優遇を受けるための機能要件を満たしています。
    「FXクラウドシリーズ」はJIIMAによる認証を受けているため、電子帳簿等保存制度(①電子帳簿等保存②スキャナ保存③電子取引データ保存―の3つ)が求める複雑な要件を1つひとつ確認する必要がありません。安心して法令に則った利用が可能です。


■贈与にまつわる「素朴なギモン」

  1. 両親や祖父母等から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の非課税措置
     令和9年3月31日までの間に、受贈者(結婚・子育て資金管理契約を締結する日において18歳以上50歳未満の人に限る)が、結婚・子育て資金に充てるため、金融機関等とのその結婚・子育て資金管理契約に基づき、贈与者(受贈者の直系尊属である父母や祖父母など)から
     ①信託受益権を取得した場合
     ②書面よる贈与により取得した金銭を銀行等に預入をした場合 
     ③書面による贈与により取得した金銭等で証券会社等で有価証券を購入した場合
      ―には、その信託受益権または金銭等の価額のうち、1,000万円までの金額に相当する部分の価額については、取扱金融機関の営業所等を経由して結婚・子育て資金非課税申告書の提出等をすることにより贈与税が非課税となります。
     なお、信託受益権または金銭等を取得した日の属する年の前年分の所得税に係る合計所得金額が1,000万円を超える場合には、この非課税制度の適用を受けることができません。
     また、結婚・子育て資金管理契約の契約期間中に贈与者が死亡した場合や、結婚・子育て資金管理契約が終了した場合には、それぞれ相続税または贈与税がかかることがあります。
     
  2. 「暦年課税制度」と「相続時精算課税制度」
    贈与税の課税方法には、「暦年課税制度」と「相続時精算課税」の2つがあり、受贈者(贈与を受けた人)は贈与者(贈与をした人)ごとにそれぞれの課税方法を選択できます。

  【暦年課税制度と相続時精算課税制度】

〈暦年課税制度〉 〈相続時精算課税制度〉
(贈与者) 誰でも可 60歳以上の父母や祖父母等
(受贈者) 誰でも可 18歳以上の子や孫等
(制度の選択) 選択制なし

贈与者と受贈者の組み合わせごとに選択

(基礎控除等) 毎年110万円 毎年110万円の基礎控除
その他生涯で特別控除額2,500万円
(控除後の課税価格) 贈与財産額-基礎控除 贈与財産額-基礎控除-特別控除額
(税率) 10%~55%の累進課税 一律20%
(申告の必要性) 110万円を超えると申告が必要

110万円を超えると申告が必要

(特別控除枠内であっても必要)

(届出の必要性) 届出不要 最初に贈与を受けた年の3月15日までに届出が必要
(相続時の取り扱い) (生前贈与の加算) 相続開始前7年以内の贈与は相続財産に加算される

毎年110万円超の額は過去にさかのぼって

制度を選択した年分以降すべて相続財産に加算される

(贈与税額控除)

贈与税額は相続時の相続税から控除される

(控除しきれない贈与税額の還付なし)

 贈与税額は相続時の相続税から控除される

(控除しきれない贈与税額の還付あり)

令和8(2026)年8月

〈8月の主な税務〉

  • 8/10(月) 7月分の源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付
  • 8/31(月) 6月決算法人の法人税等・消費税確定申告
  • 8/31(月) 12月決算法人の法人税等中間申告
  • 8/31(月) 〈前年度の確定消費税額が年間48万円超400万円以下の場合〉
         12月決算法人の消費税中間申告
  • 8/31(月) 〈前年度の確定消費税額が年間400万円超4,800万円以下の場合〉
                   3月・12月・9月決算法人の消費税中間申告
  • 8/31(月) 〈前年度の確定消費税額が年間4,800万円超の場合〉
         年11回(毎月)の消費税中間申告

今月の主な最新情報

■知っておくと安心!雑損控除

  1.  災害減免法による所得税の減免
      災害によって本人やその扶養親族等の住宅や家財に損害を受けたときは、一定の要件のもと、災害減免法による所得税の軽減免除の適用が受けられます(雑損控除との選択適用)
     住宅や家財の損害金額(保険金などにより補てんされる金額を除く)がその時価の2分の1以上で、かつ災害にあった年の所得金額の合計額が1,000万円以下のとき、その年の所得税が、次のように軽減されるかまたは免除されます(適用には確定申告が必要)。
     
       〈所得金額の合計額〉     〈軽減または免除される所得額税の額〉
     
                  500万円以下         所得税額の全額
        500万円超     750万円以下          所得税額の2分の1
        750万円超  1,000万円以下          所得税額の4分の1

     なお、ここでいう「災害」とは震災、風水害等の天災のほか、火災等の人為的災害で自己の意思によらないものも含みます。

  2. 事業用資産が被害を受けた際の取扱い(法人の場合)
       法人の有する商品、店舗、事務所等の資産が災害により被害を受けた場合、その被災に伴い次のような損失または費用が生じたときに、その額は損金に算入されます。
     ①商品や原材料等の棚卸資産、店舗や事務所等の固定資産などの資産が災害により滅失または損壊した場合の損失
     ②損壊した資産の取壊しまたは除去のための費用
     ③土砂その他の障害物の除去のための費用
     法人の有する棚卸資産、固定資産または一定の繰延資産につき災害による著しい損傷が生じたことにより、その時価が帳簿価額を下回ることとなった場合には、帳簿価額と時価との差額につき、損金経理することにより、評価損を計上して損金の額に算入できます。
     また、法人が災害により被害を受けた固定資産(その被害に基づき評価損を計上したものを除きます。以下、「被災資産」)について支出する費用について、次のような場合は修繕費とすることができます。
     ①被災資産の原状を回復するための費用
     ②被災資産の被災前の効用を維持するために行う補強工事、排水または土砂崩れの防止等のために支出する費用について、修繕費とする経理をしているとき
     ③被災資産について支出する費用(上記①または②に該当する費用を除く)の額のうち、資本的支出か修繕費か明らかでないものがある場合、その金額の30%相当額

令和8(2026)年7月

〈7月の主な税務〉

  • 7/10(金) 6月分の源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付
  • 7/10(金) 源泉所得税(1月~6月分)の納期の特例分の納付
  • 7/31(金) 5月決算法人の法人税等・消費税確定申告
  • 7/31(金) 11月決算法人の法人税等中間申告
  • 7/31(金) 〈前年度の確定消費税額が年間48万円超400万円以下の場合〉
          11月決算法人の消費税中間申告
  • 7/31(金) 〈前年度の確定消費税額が年間400万円超4,800万円以下の場合〉
          2月・8月・11月決算法人の消費税中間申告
  • 7/31(金) 〈前年度の確定消費税額が年間4,800万円超の場合〉
          年11回(毎月)の消費税中間申告

今月の主な最新情報

■取引相場のない株式(非上場株式)の評価方法の見直し(令和9年度税制改正で調整見込み)

 国税庁は令和8年4月、取引相場のない株式(非上場株式)の相続税評価について、相続税法の時価主義の下、適正な評価制度の在り方を検討するため「取引相場のない株式の評価に関する有識者会議」を設置しました。令和6年11月、会計検査院検査報告により「異なる規模の会社間での公平性や社会経済の変化に考慮し、より適切なものとなるよう検討を」との指摘を受けたことが背景にあります。具体的には次のとおりです。

 〇各評価方式(類似業種比準方式・純資産価額方式)の間で評価額に乖離が生じており、類似業種比準方式による価額を適用する割合が高い規模の大きな会社ほど、株式の評価額が相対的に低く算定されること。

 〇配当還元方式の還元率が、近年の金利の水準と比べて相対的に高い率となっているおそれがあること。

 第1回有識者会議は4月20日に行われ、今後も定期的に開催される予定です。ここでの議論を経た上で、令和9年度税制改正において最終調整される見込みとなっています。
 評価方法の見直しが行われた場合、比較的規模の大きな会社の自社株評価額が上がると想定されています。企業によっては、早めの自社株対策が求められるでしょう。
 有識者会議による議論を注視しておきましょう(なお、議事要旨は国税庁HPから公開されています)。

令和8(2026)年6月

〈6月の主な税務〉

  • 6/10(水) 5月分の源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付
  • 6/30(火) 4月決算法人の法人税等・消費税確定申告
  • 6/30(火) 10月決算法人の法人税等中間申告
  • 6/30(火) 〈前年度の確定消費税額が年間48万円超400万円以下の場合〉
          10月決算法人の消費税中間申告
  • 6/30(火) 〈前年度の確定消費税額が年間400万円超4,800万円以下の場合〉
          1月・10月・7月決算法人の消費税中間申告
  • 6/30(火) 〈前年度の確定消費税額が年間4,800万円超の場合〉
          年11回(毎月)の消費税中間申告

今月の主な最新情報

■「飲食料品に消費税をかけない」とは?0%か、非課税か―どうなる?消費税の取り扱い

1.仕入税額控除の対象となるもの
 消費税の納付税額は、課税期間中の課税売上げに係る消費税額からその課税期間中の課税仕入れ等に係る消費税額を控除(仕入税額控除)して計算します。
 課税仕入れとは、事業者が、事業として他の者から資産の譲り受けや借り受けを行うこと、または役務の提供を受けることをいいます。ただし、非課税や免税となる取引等は含まれません。課税仕入れとなる取引には次のようなものがあります。

 〇商品などの棚卸資産の購入

 〇原材料等の購入

 〇機械や建物等のほか、車両や器具備品等の事業用資産の購入または賃借

 〇広告宣伝費、厚生費、接待交際費、通信費、水道光熱費などの支払い

 〇事務用品、消耗品、新聞図書などの購入

 〇修繕費

 〇外注費

 なお、給与等の支払いは課税仕入れとなりませんが、加工賃や人材派遣料のように事業者が行う労働やサービスの提供の対価には消費税が課税されます。したがって、加工賃や人材派遣料、警備や清掃等を外部に委託している場合の委託料等は課税仕入れとなります。


2.仕入税額控除の計算方法(本則課税の場合)
 仕入控除税額の計算方法は、次のとおり事業者によって異なります。

 〇課税期間中の課税売上高が5億円以下かつ課税売上割合が95%以上の事業者
 ⇒課税期間中の課税売上に係る消費税額から、その課税期間中の課税仕入れ等に係る消費税額の全額を控除

 〇課税期間中の課税売上高が5億円超または課税売上割合が95%未満の事業者
 ⇒課税仕入れ等に係る消費税額の全額を控除するのではなく、課税売上に対応する部分のみを控除(「個別対応方式」または「一括比例配分方式」のいずれかの方式によって計算した仕入控除税額を、その課税期間中の課税売上に係る消費税額から控除)

令和8(2026)年5月

〈5月の主な税務〉

  • 5/11(月) 4月分の源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付
  • 6/01(月) 3月決算法人の法人税等・消費税確定申告
  • 6/01(月) 9月決算法人の法人税等中間申告
  • 6/01(月) 〈前年度の確定消費税額が年間48万円超400万円以下の場合〉
          9月決算法人の消費税中間申告
  • 6/01(月) 〈前年度の確定消費税額が年間400万円超4,800万円以下の場合〉
          12月・9月・6月決算法人の消費税中間申告
  • 6/01(月) 〈前年度の確定消費税額が年間4,800万円超の場合〉
          年11回(毎月)の消費税中間申告

今月の主な最新情報

■食事支給に係る所得税非課税限度額の見直し

1.現物給与の取り扱い(金銭による給与とは異なる特別の取り扱いが定められているもの)
 現物給与には、①職務の性質上欠くことのできないもので主として使用者側の業務遂行上の必要から支給されるもの、②換金性に欠けるもの、③その評価が困難なもの、④受給者側に物品などの選択の余地がないものなど、金銭による給与等と異なる性質があり、また、⑤政策上特別の配慮を要するもの―などもあるため、食事の支給のほか、特定の現物給与については、次のような特別の取り扱いが定められています(抜粋)。

〈区分〉〈取り扱い〉
〇制服等の支給職務の性質上制服を着用しなければならない人に対して支給または貸与する制服その他の身の回り品、事務服、作業服等については課税されません。
〇社宅等の貸与使用人等に対して無償または低額の賃貸料で社宅や寮等を貸与することによりその使用人等が受ける経済的利益については、使用人等から一定の算式により求めた社宅等について通常支払うべき賃貸料の額以上の賃貸料を徴収していれば課税されませんが、使用人等から徴収している賃貸料が、その社宅等について通常支払うべき賃貸料の額を下回っている場合には、その差額が給与所得とされます。
なお、役員に貸与している社宅等が、いわゆる豪華社宅である場合には、通常の賃貸料の額は一般の賃貸住宅とした場合に通常支払うべき使用料の額により評価することとされています。
〇永年勤続記念品等の支給永年にわたり勤務した人の表彰に当たり、その記念として旅行、観劇等に招待し、または記念品を支給することによる経済的利益で、その表彰が、おおむね10年以上勤務した人を対象としたものであるなど一定の要件を満たすものについては、課税されません。
〇創業記念品等の支給創業記念、増資記念、工事完成記念または合併記念等に際し、その記念として支給する記念品で、その支給する記念品が、社会通念上記念品としてふさわしいものであって、その価額(処分見込価額により評価した価額)が10,000円以下のものであるなど一定の要件を満たすものについては、建築業者、造船業者等が請負工事または造船の完成等に際して支給されるものを除き、課税されません。
〇商品、製品等の値引販売使用者の取り扱う商品、製品等の値引販売をすることによる経済的利益については、その値引販売の価額が、使用者の取得価額以上で、通常他に販売する価額のおおむね70%以上であるなど一定の要件を満たす場合には、課税されません。

2.食事価額の判定(消費税の取り扱い)
 非課税限度額「月額7,500円」であるかどうかの判定は、消費税および地方消費税の額を除いた金額をもって行うこととなりますが、その金額に10円未満の端数が生じた場合にはこれを切り捨てることとなります。
 また、食事の支給(提供)方法により適用税率が異なりますので注意が必要です。

 〇使用者(事業者)が弁当を単に購入して従業員等に支給する場合
  使用者と弁当事業者との取引は、飲食料品の譲渡となる⇒軽減税率(8%)が適用

 〇弁当事業者が弁当を提供する際に、配膳等の役務の提供を伴う場合
  いわゆる「ケータリング」⇒標準税率(10%)が適用

 〇食堂での食事
  飲食設備のある場所において飲食料品を飲食させる役務の提供に該当⇒標準税率(10%)が適用

令和8(2026)年4月

〈4月の主な税務〉

  • 4/10(火) 3月分の源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付
  • 4/30(木) 2月決算法人の法人税等・消費税確定申告
  • 4/30(木) 8月決算法人の法人税等中間申告
  • 4/30(木) 〈前年度の確定消費税額が年間48万円超400万円以下の場合〉
          8月決算法人の消費税中間申告
  • 4/30(木) 〈前年度の確定消費税額が年間400万円超4,800万円以下の場合〉
          11月・8月・5月決算法人の消費税中間申告
  • 4/30(木) 〈前年度の確定消費税額が年間4,800万円超の場合〉
          年11回(毎月)の消費税中間申告

今月の主な最新情報

1.令和8年4月1日以後取得する事業用資産の取り扱い(金額基準/予定)
 令和8年度税制改正の内容を踏まえると、中小企業者等の場合、令和8年4月1日以後に取得する少額な減価償却資産は、次のようにまとめられます(金額基準/予定)
〇10万円未満:「消耗品費」等とて購入して購入したその期に全額費用計上が可能
〇10万円以上20万円未満:「一括償却資産」として3年均等償却が可能
〇40万円未満:年間合計300万円まで、その期に全額費用計上が可能
〇40万円以上:固定資産に計上(法定耐用年数に応じた期間にわたり、減価償却が必要)


2.設備投資に係る税制の見直し(中小企業向けの改正内容)

 設備投資に係る中小企業向けのその他の税制について、令和8年度税制改正により、
 次の見直しが行われます。
(1)中小企業経営強化税制
 工具および器具備品の取得価額要件が、40万円以上(現行:30万円以上)に引き上げられます(所得税においても同様)。
(2)中小企業投資促進税制
 工具の取得価額要件のうち「1台または1基の取得価額が30万円以上の工具の取得価額の合計額が120万円以上であること」との要件が、「1台または1基の取得価額が40万円以上の工具の取得価額の合計額が120万円以上であること」とされます(所得税についても同様)。
(3)中小企業防災・減災投資促進税制(特定事業継続力強化設備等の特別償却制度)
 器具備品の取得価額要件が、40万円以上(現行:30万円以上)に引き上げられます(所得税についても同様)。

令和8(2026)年3月

〈3月の主な税務〉

  • 3/10(火) 2月分の源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付
  • 3/16(月) 令和7年分の所得税確定申告・損失申告
  • 3/16(月) 贈与税の申告・相続時精算課税選択届出書の提出
  • 3/31(火) 個人事業者の消費税確定申告
  • 3/31(火) 1月決算法人の法人税等・消費税確定申告
  • 3/31(火) 7月決算法人の法人税等中間申告
  • 3/31(火) 〈前年度の確定消費税額が年間48万円超400万円以下の場合〉
          7月決算法人の消費税中間申告
  • 3/31(火) 〈前年度の確定消費税額が年間400万円超4,800万円以下の場合〉
          10月・7月・4月決算法人の消費税中間申告
  • 3/31(火) 〈前年度の確定消費税額が年間4,800万円超の場合〉
          年11回(毎月)の消費税中間申告

今月の主な最新情報

■インボイス制度「経過措置」の内容が変わります

(1)簡易課税制度を適用した方が消費税の納付税額が少なくなる場合
 令和8年度税制改正により、インボイス発行事業者である個人事業者は、現在「2割特例」を適用している個人事業者も含め、令和9年分・令和10年分についても「3割特例」が適用できます。一方で、①法人は適用対象外②納付税額は売上に係る消費税額の「2割」→「3割」へと引上げられる―ため、多くの場合、消費税の納税額が増えることとなります。
 特に、簡易課税制度を適用して申告する場合、卸売業では、90%、小売業では80%のみなし仕入率が適用されるため、令和8年度税制改正の内容を踏まえると、これらの業種では簡易課税制度を適用するほうが、消費税の納付税額が少なくなることに留意しましょう。

   

(2)「2割特例」を適用した課税期間後の簡易課税制度の選択
 簡易課税制度を適用して申告する場合には、原則として、その適用を受けようとする課税期間の初日の前日までに「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出する必要があります。
 この点、「2割特例」の適用を受けた事業者が、その適用を受けた課税期間の翌課税期間中に納税地を所轄する税務署長にその課税期間から簡易課税制度の適用を受ける旨を記載した「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出した場合には、その課税期間の初日の前日に「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出したものとみなされます。
 令和8年分まで「2割特例」により申告を行った個人事業者が翌年分から簡易課税制度の適用を受けようとする場合には、令和9年中に「消費税簡易課税制度選択届出書(令和9年分から、簡易課税制度の適用を受ける旨を記載したもの)」を提出すれば、令和9年分から、簡易課税制度の適用を受けることができます。


(3)免税事業者等との取引について(再確認)
 免税事業者等の小規模事業者は、売上先(買手側)の事業者と比べて取引条件についての情報量や交渉力の面で格差があり、取引条件が一方的に不利になりやすい場合も想定されます。このような状況下で、仕入税額控除の控除可能割合が引き下げられることを機に、買手側の意向で取引条件が見直される場合、その方法や内容によっては、買手側は独占禁止法または取適法等により問題となる可能性があります。取引先の免税事業者等との間で取引価格等について再交渉する場合は、免税事業者等と十分に協議を行い、買手側の都合のみで低い価格を設定する―等の行為をしないよう、注意する必要があります。

令和8(2026)年2月

〈2月の主な税務〉

  • 2/10(火) 1月分の源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付
  • 3/02(月) 12月決算法人の法人税等・消費税確定申告
  • 3/02(月) 6月決算法人の法人税等中間申告
  • 3/02(月) 〈前年度の確定消費税額が年間48万円超400万円以下の場合〉
          6月決算法人の消費税中間申告
  • 3/02(月) 〈前年度の確定消費税額が年間400万円超4,800万円以下の場合〉
          9月・6月・3月決算法人の消費税中間申告
  • 3/02(月) 〈前年度の確定消費税額が年間4,800万円超の場合〉
          年11回(毎月)の消費税中間申告

今月の主な最新情報

■こんな収入はありませんか?会社員(給与所得者)でも、申告モレにご用心

(1)一時所得
 一時所得とは、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の所得で、労務や役務の対価としての性質や資産の譲渡による対価としての性質を有しない一時の所得をいいます。次のようなものが該当します。
〇懸賞や福引きの賞金品(業務に関して受けるものを除く)
〇競馬や競輪の払戻金(営利を目的とする継続的行為から生じたものを除く)
〇生命保険の一時金(業務に関して受けるものを除く)や損害保険の満期返戻金等
〇法人から贈与された金品(業務に関して受けるもの、継続的に受けるものを除く)
〇遺失物拾得者や埋蔵物発見者の受ける報労金等
〇資産の移転等の費用に充てるため受けた交付金のうち、その交付の目的とされた支出に充てられなかったもの


(2)雑所得
 雑所得とは、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得および一時所得のいずれにも当たらない所得をいい、例えば、公的年金等、非営業用貸金の利子、副業に係る所得(原稿料やシェアリングエコノミーに係る所得など)が該当します。副業(配達員、ネット販売、アフィリエイトなど)による収入の多くは、「雑所得」になりますが、収入の内容や規模によっては「事業所得」等として扱われることもあります。


(3)金地金の譲渡による所得
 金地金を売ったときの所得は、原則、譲渡所得として、給与所得など他の所得と合わせて総合所得の対象となります。ただし、以下の場合は、譲渡所得以外の所得として課税されます。
①金地金の譲渡が営利を目的として継続的に行われている場合には、その実態に応じて「事業所得」または「雑所得」となります。
②金投資口座や金貯蓄口座などからの利益は金地金の現物の譲渡とは異なり、実態は金融取引に近いことから、金融類似商品の収益として一律20.315%の税率による源泉分離課税が適用されます。
金投資口座や金貯蓄口座などからの利益は、源泉徴収だけで課税が終了しますので、他の所得と合算して確定申告をすることができません。また、扶養親族などに当てはまるかどうかを判定するときの所得からも除かれます。

令和8(2026)年1月

〈1月の主な税務〉

  • 1/13(火) 12月分の源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付
  • 1/20(火) 源泉所得税の納期の特例分(7月~12月分)の納付
  • 2/02(月) 法定調書(源泉徴収票、支払調書)の提出
  • 2/02(月) 給与支払報告書の提出
  • 2/02(月) 償却資産の申告
  • 2/02(月) 11月決算法人の法人税等・消費税確定申告
  • 2/02(月) 5月決算法人の法人税等中間申告
  • 2/02(月) 〈前年度の確定消費税額が年間48万円超400万円以下の場合〉
          5月決算法人の消費税中間申告
  • 2/02(月) 〈前年度の確定消費税額が年間400万円超4,800万円以下の場合〉
          8月・5月・2月決算法人の消費税中間申告
  • 2/02(月) 〈前年度の確定消費税額が年間4,800万円超の場合〉
          年11回(毎月)の消費税中間申告

今月の主な最新情報

■2026年は制度改正が目白押し!

(1)「子ども・子育て支援金」の徴収開始
 「子ども・子育て支援金」制度は、子育て支援の財源を確保するために、2026年度から2028年度にかけて医療保険料とあわせて徴収されるものです。高齢者や事業主を含む全世代・全経済主体から、所得に応じて徴収されることとなります。2026年度の加入者1人あたり平均負担月額(全制度平均)は250円となる見込みです。
 独身者や子どもを持たない世帯は、負担があるにもかかわらず直接的な利益を受けにくいため、SNS等では「独身税」といわれることがあります。


(2)在職老齢年金制度の見直し
 在職老齢年金制度は、年金を受給しながら働く高齢者について、賃金と老齢厚生年金の合計が一定の基準を超えた場合、老齢厚生年金が減額される制度です。2026年4月1日からこの基準が、月51万円(2025年度の金額)から62万円へ引き上げられます。
 人手不足が深刻となる中、高齢者の活躍の重要性が高まっています。その一方で、在職老齢年金制度が高齢者の労働意欲を削ぎ、さらなる労働参加を妨げている例も指摘されていました。高齢者の活躍を後押しし、働きたい人が働きやすい仕組みとする観点からこのような見直しが行われました。

   

(3)防衛特別法人税の創設

 防衛特別法人税は、基準法人税額が0円または基礎控除額(年500万円)の控除により課税標準法人税額が0円となる場合でも、「防衛特別法人税確定申告書」を提出する必要があります。

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